ベトナム映画祭、ダン・ニャット・ミン監督インタビュー

●)監督へのインタビュー                             2006年11月13日

◆この1,2年の間にベトナムの映画が急激な変化をしたと思うけれど、監督
  ご自身ではどのようにお感じになっていらっしゃるか?
 ・テーマが世界共通になってきているし、娯楽映画に興味が集まってきていて、
  芸術的な映画に関心が寄せられなくなってきているのは残念。
   ただしPrivate Campany も出来はじめ、娯楽映画が世界で評価されるように
  もなってきていた。釜山映画祭で「ハドンの絹の服」はベトナムのPrivate
  Campanyが作った映画として始めて海外で上映されたし、これから機会も多く
  なると思う。

◆戦後、国が掲げたドイモイ(刷新)政策の影響は映画界にあったのか?
 ・ドイモイ(刷新)政策は全ての面で進めていく予定だったけれど、その後の社会
  主義国(ソ連やポーランドなど)の崩壊が文芸知識層が発端だったので、それ
  を恐れて経済面だけに力を注いできた。そのため経済面での復興は早かった
  が、文化面では遅れた。


 ダン・ニャット・ミン監督
◆WTO加盟後、ベトナム映画界はどうなる?
 ・外国映画の流入の制限が無くなり、ハリウッド映画等が大量に入ってきて、楽しめるようになるだろうし、外
  国資本の映画館が出来、その国の映画の上映が多くなり、配給会社も設立されることだろう。
   今まで国営として作られてきた映画は民営化された映画会社の製作となる。 又娯楽映画を含めて国から
  の資本で作られる映画も多くなる。
   Private Campanyも多くなり、たくさんの映画が作られるようになると思うが、 Private Campanyの作る映画
  は西欧化された娯楽映画が多く、その上映も多くなると思う。
   ただし将来的には商業的に成り立たなくなってきて、5年後には淘汰されるのでは?と思う。

◆全ての作品において、効率的には悪い脚本と監督と言う2つの仕事をこなされるのだけれど、 それにこだわるのは?
  ・時間がかかるけれど、私にとっては一つの仕事であり、分けられるものではない。脚本を書いている時は
  紙の上で監督であり、そのイメージが出来あがっている。

◆小津安二郎を尊敬していらっしゃるし、 小津作品を彷彿とさせるシーンがあるけれど、監督にとって小津安二郎とは?
  ・映画界で崇拝する映画人でベトナム人に近い感覚を持っていて作品は理解しやすい。
  小津が普通の人たちに向ける愛情、家族に向ける愛情などはベトナム人に近いものがある。
   慈愛に満ちたまなざし、微笑み、人間愛をあらわしている映像はすばらしい。 小津の度量、寛容さ、全てを
  も許す心に感動する。


  国から資金が出ている映画制作では監督、スタッフは公務員であり、もう引退していらっしゃるけれど、現在
 は映画学校で後輩の指導に携わっていらっしゃいます。
  これからは民間で映画制作が出来るようになるので、来年から撮り始める予定で、その準備も脚本も出来
 ていると、意欲的な監督。映画制作への熱意が伝わってくるインタビューでした。

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